ストーク・オン・トレントの陶磁器博物館①

 お久しぶりです。お休みにも飽きてきたので、少し日数を切り上げて再開します。お休み中もたくさんの方にご訪問いただきありがとうございます。感謝しております。さて、ちょっと思うところあったことも吹っ切れたし、昨年のイギリス滞在記の続きを書こうと思います。 (と言っても、この記事は休み前に書き上げてあったものではありますが…。)ではでは、はじまりはじまり~。

 ブラックプールを発った後、帰宅する前にもう一ヶ所立ち寄った街があります。それがここ、ストーク・オン・トレント。通称The Potteriesと呼ばれる陶磁器産業の街です。ウェッジウッドなどのファクトリー・アウトレットが手に入ったりするので、イギリスの陶磁器がお好きな方なら訪れたことのある場所かも知れません。

 最初にガイドブックなどでそういう情報を仕入れていると、なんとなくさぞ華やかな街かしらん・・・と思ったのですが、窯元それぞれのショップやミュージアムなどは個々に離れた場所にあり、街の中心部はブラックプールに輪をかけた斜陽な雰囲気をかもし出しておりました(^^;ははは~。いわゆるイギリスの雰囲気をイメージしていくとちょっとびっくりするかも・・・ってなくらい、エスニックな香り漂う街。移民の方々が多そうです。アラブの国のどこかに迷い込んでしまったのかしらん???と錯覚するような店のウィンドーや看板、人々の服装。

 実際、夏休みの旅行を計画している時にはこの辺りのホテルやB&Bも探してみたのですが、どうも目ぼしいものが見つからず・・・。もーりーに相談すると、帰りにちょっと寄るか、日を改めても日帰りできるよと言われ、宿泊地候補からは外しました。外しておいて正解でした。

 で、私は陶磁器の買い物の予定はなかったのと、すでに夕方で何箇所もは回れない(閉館してしまうから)ということで、1箇所にしぼり、公共の陶磁器博物館を訪ねることにしました。グラッドストーンやウェッジウッドのミュージアムの方が有名かもだけど、ここならなんと無料で見学できるのです!エヘン!(相変わらず、せこ~い。)そうは言うものの、ドネーションで小銭を少々。これだけで受付のおじさんの満面のスマイルをゲット出来ます(笑)。

 展示の様子はこんな感じ。年代や地域ごとに分けて展示されていました。コレクションはかなりの数にのぼりますが、その中のほんの一部をご紹介いたしますね。詳細はたどれるもののみ書きます。

 17世紀のカメオのようなデザインのもの。装飾用でしょうか?

 こちらも同じく17世紀のカップ類。まだまだ装飾性もなく、色も茶色でぽってりとしています。イギリスの家庭で日常的に使われているブラウンベティと呼ばれるティーポットに似た色と形、雰囲気ですね~。イギリスの焼き物の原点的なものなのでしょうか?

 こちらは18世紀のリバプール周辺の焼き物を紹介したコーナー。だいぶ現代の洋食器に近づいてきましたね!今でもこれが普通に売っていても全然違和感ないような気がします。ブルー&ホワイトでかわいい。黄色の差し色もいいですね~。好きなタイプ♪

 こちらは、ウェッジウッド(Josiah & Thomas Wedgewood)のパイナップルデザインのティーポットと水注し(お湯注し)です。1760~1770年のものだそうです。とうもろこしかと思ったら、パイナップルなんですね~(笑)。こういうの、面白いです。

 こちらも同時代の似たタイプ。1760-70年にスタッフォードシャーで広く作られたカリフラワーのティーポット(珈琲ポット?)です。デザインはウェッジウッド(Whieldon - Wedgewood Partnership)のものだそうです。面白いですよね~。細かいところまでよく出来ていますよね。フランスのアールヌーボーまでにはまだ100年以上ありますが、すでにちょっと通じるものがあるような気がします。

 こちらも1760-1770年に作られたとされるウェッジウッド(Josiah & Thomas Wedgewood)のティーポットと珈琲ポットです。1765年にシャーロット女王がオーダーしたものと、同じタイプのものではないかと考えられているそうです。こんな濃いグリーンも素敵ですね。

 1750~1770年にスタッフォードシャーで、鋳込み成型によって作られたティーポットです。量産されていたのでしょうか。

 1783-1792年のものとされるウースター(Worcester)のカップ&ソーサーです。裏にFlightのマークが入っているそうです。

 Flightってどういう窯元なんだろうと思い調べてみましたら、アンティークのオンラインショップ(海外のディーラーのところ)に、これとそっくりの形で、ぜんぜん違う模様が付けられたカップ&ソーサーが売られていました。時代も同じ頃のもの。そこのサイトの解説によりますと、1751年に15人の陶工や商人からなる陶磁器工場がウースターに出来、1783年にそれをトーマス・フライトという実業家が買い取ったのがFlightの始まりなのだとか。そのオンラインショップの表記にはWorcester(Flight Period)と書かれていました。ウースターの陶磁器産業は、それから1840年まで様々に名を変えて続いてきたようです。

 そうそうちなみにですね、全然関係ないけれども、ウースターというのは日本でもおなじみのウスターソースのウースターでございます(笑)。

 もうひとつついでに、そのオンラインショップにあった1790年代のカップ&ソーサーのお値段は、なんとたったの£60ですって。けっこうキレイでちゃんと使えるクオリティに見えるものがですよ~。200年以上前のものがたったの£60って・・・(驚)。イギリスって国は・・・!まぁ、それとも、それだけ数が多いってことなんでしょうかね~?

 さて、こちらは真ん中のモノグラムを見て、もうだいたいお解りの方もいらっしゃることと思いますが、これはかなり素性のハッキリしたお皿です。

 こちらは、1837年に作られたダヴェンポートの24枚組みのデザート皿のうちの1枚だそうで、これは同年11月にロンドンのGuildhallで行なわれた、ヴィクトリア女王の王位継承を祝う晩餐のためのものなのだとか。お皿の中央にはヴィクトリア女王のモノグラムが描かれ、裏には”DAVENPORT LONGPORT STAFFORDSHIR POTTERS TO THIER MAJESTIES."と書かれているそうです。

 由緒正しきデザート皿。どんなものをお召し上がりになられたのでしょうね。ここまで詳細がはっきり分かっていると気持ちがいいもんです。(英語のキャプションも読みがいがあるってものですね!)

 うーん、だんだん金色使いが大胆になってきましたね。これはかなり好み(笑)。ちょっとゴテゴテっとデコラティブなこちらは、1900-1910年のウェッジウッド(Josiah Wedgewood & Sons.)のボーンチャイナのティーウェアだそうです。左からクリーマー、ホットウォータージャグ(お湯注し)、シュガーポットでしょうか。20世紀初めだと、もうここまで装飾性豊かなのですね。ボーンチャイナは18世紀のイギリスの発明。意外にも発明された場所はここではなくロンドンだそうです。

 さて、今回もちょっと量が多くなってきちゃったので、ここらでいったん終了~。続きはまた明日お送りしたいと思います。どうぞお楽しみに~^^


コメント

lce2 さんの投稿…
流石に歴史を感じますねぇ。
18世紀から量産ですか。
これまた歴史を感じさせます。
Sana さんの投稿…
★lce2さん、こんにちは!
さっそくのコメントをありがとうございます~^^歴史のかたまりみたいな国ですよね~、本当に。で、も、この陶磁器に関しては、日本の方がこの時代、先を行っておりますよ~♪ 次回をどうぞお楽しみに。
アン さんの投稿…
Sanaeちゃん、こんばんは~☆
陶磁器となると、俄然目の色が変わるアンでございます(笑)。
イギリスまでは行けそうもないので、ここ愛知には瀬戸市や
常滑市に陶磁器会館(センター)があります。
そして、ノリタケとナルミは名古屋市にあるので、機会が
あったら行こうね!と娘と話しているんですよ。

パイナップル型の器があるんですね!?(驚)
息子が「パイナップル型の器を作って!」と煩く言ってたの。
その頃知っていれば叶えてあげたのに・・・(苦笑)。
Sana さんの投稿…
★アンさん、こんばんは!
名古屋に行ったとき、ノリタケの森に行きましたよ~♪ とっても素敵なところでした。ランチは残念ながら予約でいっぱいだったのでそこでは食べられませんでしたが。(でもそのおかげで、別の場所で初の味噌カツを食べたのですけど・笑)厚木にもノリタケのアウトレットショップがあったのですが、なくなってしまって残念です。名古屋また行きたいなぁ~!

息子さん、なぜパイナップルの器が欲しかったのでしょう???面白い^0^こういう博物館はきっと、実際に陶芸や絵付けなどをなさっている方が見たら、もっともっと楽しめるのでしょうね~。

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