ストーク・オン・トレントの陶磁器博物館②

 ストーク・オン・トレントの陶磁器博物館(The Potteries Museum & Art Gallery)の続きです。

 昨日は17世紀から19世紀までの陶磁器を見てみました。今日の1枚目も18世紀に作られたティーポットです。解説によると1750~60年頃にスタッフォードシャーで作られた鋳込み成型のもので、白い貝殻のモチーフは18世紀にポピュラーだったようです。

 お次は、なんとなく東洋の急須を思い起こさせるデザインのティーポットです。こちらは1755~65年に同じくスタッフォードシャーで作られたものだそうで、濃い色の赤土で作られたポットの表面に、白い土を使って模様をつけるという方法のものなのだとか。立体的な模様が描かれているのが分かりますでしょうか?

 この美術館にはこういったイギリス国内で作られた東洋的な陶磁器の他に、実際に中国や日本で作られた器や花器などのコレクションを展示したコーナーもありました。もともとティーセットや陶磁器自体が東洋のものを真似て作られるところから始まり、次第にイギリス独自のデザインへと変化していきました。

 次に紹介するものも、イギリスで作られた「東洋的(日本的)」なお皿です。

 ハイ、それがこちら。赤絵に金彩とくれば何を模したものかは一目瞭然ですよね(笑)。1800~1810年にウースターシャーで作られた日本の「伊万里」のデザインを模したものだそうです。見本となるものがその頃イギリス国内に渡っていたということなのでしょうね~。かなり豪華な感じです。

 さて、こちらのいくつかは日本製で、残りのいくつかはそれを模したイギリス製です。どれがどれだかお分かりになりますか?

 正解は下段の二つ、お皿と首の細い花器のように見えるものが日本製です。花器に見えるものは博物館の解説ではお酒用のボトルと書かれていました。1600~1700年の柿右衛門の作とのこと。ウィキペディアの柿右衛門の項を見てみると、この100年間に初代から5代目までが時期を重ねて製作しているそうで、そういう文字情報からだけでは、どなたの作かまでは分かりません。(見る人が見れば分かるのかな~?あの方とか。)

 もうひとつ左側にあるお皿は1700~1800年の日本製のもので、こちらの解説には柿右衛門「スタイル」と書かれています。先のボトルと分けて書かれているので、柿右衛門作ではないということなのでしょうかね。秋を表現した文様と説明されていました。

 上の3つはそれぞれお皿と蓋付きの壺が1750年代にロンドンで、珈琲ポットが1770年代にスコットランドで作られた、日本の柿右衛門スタイルを真似たものだそうです。こうして並んだものを見ると、やはり日本製の物の方が地色も文様の色も透明感があって繊細な感じがよく分かりますね。絵柄にしても空間の取り方など、日本画の独特な手法が見て取れます。本物はやはり品があっていいですね~。

 昔イギリスに渡った日本の工芸品は、滞英中ここ以外にも何箇所かで目にする機会がありました。そのうちのもうひとつをすでに記事にしてありますので、ご興味ある方はどうぞこちらもご覧下さい⇒【ロンドン観光記④大英博物館の中の日本

 お次はちょっと毛色の違うもの。食器や茶器ではなく、フィギュア。ロイヤルドルトンからこちらの博物館がお借りして展示しているものだそうですが、ねずみのカメラマンとそのお客さんという面白いデザインのもの。型を作ったのはGeorge Tinworthさんという方だそうです。ほかにもねずみのフィギュアをいくつか作っているみたいですね。こちらにはDOULTON LAMBETH 1876という刻印がされているようです。

 この写真、今見ると個人的に笑っちゃうんですよね~。イギリスで見たものは後から考えると「え?」ってなものが今回多かったですが、これもそのうちのひとつ。ねずみとカメラ。私ねずみ年なんですよ。んでもって、以前からまぁ写真はブログ用に撮っていましたけど、昨年末くらいからカメラに本格的にハマちゃってたりして(笑)。しかもそのメーカーさんは・・・これまたイギリスはコッツウォルズで出会ったこちら!リンク先のF1マシンのスポンサーをよーく見て下さいね。写真撮った時まったくなんとも思っていなかったのに、半年後の今や、すっかりお世話になっております。いや~、妙な縁ですね、これは(笑)。

 というわけで、万が一このフィギュアが復刻でもされた日にゃ、欲しいなぁなんて思ったり。(すでにあったりして?!実際のところは知りませんが。)

 陶器のフィギュアといえば、スペインはリヤドロのもので欲しいな~と思っているものがあるのですが、イギリスにもけっこう売っていたんですけど、どうも日本で買った方が安そうでしたね。こういうのって小さい飾り物でもいいお値段がするものですが、そんなのを少しずつコレクションするなんてのは優雅な趣味で憧れます。ドールハウスなども面白そうだし。そういえばこの博物館にもドールハウスの展示がちょっぴりあったような気がします。

 最後はこの面白い形の水差しです。ふくろうの形をしているもの。頭の部分はコップになっています。1680~1700年にスタッフォードシャーで作られたものなのだとか。そんな昔から、こんな風に動物を模った水差しが作られていたんですね~。面白いです。イギリス人にとって、今も昔もふくろうは身近な動物なのかな?ハリー・ポッターにも出てくるしね。

 博物館の解説によるとこのふくろうの水差しは、BBCの「アンティークロードショー」という番組の製作チームによってノーザンプトンで発見され、1990年3月4日(日)にその番組で紹介されたものなのだそうです。それをこの博物館がいくつかの機関の協力を得て、買い取ったものなのだとか。現在では博物館に併設されているミュージアムショップで、複製品を買うことも出来ます。ここの目玉の展示品なのでしょうね。

 なかなか盛りだくさんで面白い博物館でした。


 

コメント

lce2 さんの投稿…
流石は日本人♪
天晴れ!
Sana さんの投稿…
★lce2さん、こんばんは!
あはは(笑)。でも本当に、中国や日本の磁器の白い色は、当時のヨーロッパの人々の憧れの的だったようですよ。最近はヨーロッパの陶磁器が日本でも大人気ですが、昔は逆で、向こうの人々は同じ白くて薄い磁器を作るのにすごく試行錯誤したみたいです。
アン さんの投稿…
Sanaeちゃん、こんばんは~☆
首の長い花瓶や徳利は、鶴首と言います。
そのままですね(笑)。
こんな華奢な作品、さぞ大変だっただろうな・・・と、
驚きと共に感動です。
直接ご覧になったSanaeちゃん、陶芸家達から羨望の的ですよ。

日本では不苦労と書いてふくろう。無事帰るの蛙と共に
ケッコー見かけますね。
あはは~語呂合わせ好きな日本人らしい!
Sana さんの投稿…
★アンさん、こんばんは!
なるほど、鶴首というのですか~。50センチくらい高さがあったような気がします。よく綺麗に保存されているものだなぁと驚きました。

フクロウは「不苦労」ですか(笑)。日本でもよく使われるモチーフなのですね。知恵の神のシンボルとかいうのは聞いたことがあります。

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