知床五湖トレッキング②樹木編その1


5月31日(木)に参加した知床五湖トレッキングの続きです。①は肝心の湖が全然出てこないじゃな~いという感じで終ってしまったのですが、本日は四湖の写真から。富士五湖などと違って、こちらの知床五湖の湖はそれぞれに別の名前はついておらず、一湖、二湖、三湖、四湖、五湖と非常にシンプル。読み方もそのまま、いちこ、にこ、さんこ、よんこ、ごこ、のようです(笑)。

富士五湖の周りにはそれぞれ町や村も栄えて人の暮らしがありますが、ここ知床は国立公園内ですから、本当に自然のままで、この公園内に人々の暮らしはありません。それでもかつて、昭和の戦前と戦後に1回ずつ、開発の手が伸びたこともあるのだそうで、廃墟と化した民家跡の見られる場所も例外的にあります。そういうこともトレッキング前の送迎車の中から、見える景色ごとに引率のガイドさんが教えて下さいました。(後日、作家梨木香歩さんのエッセイ「渡りの足跡」の中に、開拓者としてこの知床五湖の近くで生活していた方のお話が収録されているのを読みました。自然に寄り添う暮らしぶりが、とても生き生きとした語り口調で書かれており、大変面白かったです。7月12日記す。)

そうそうそう言えば、この日は送迎車の中から早々に、道路脇の森の中にヒグマの姿を見かけましたよ ^^ (このときは写真を撮る余裕はなし…)


それぞれの湖の説明は、このような感じで建てられています。ガイドさんに引率されてのトレッキングは、5湖からスタートし、1湖に着いた後、高架木道を通って戻る…というルートでした。知床五湖についてもっと詳しく知りたいという方は、知床五湖フィールドハウスのサイトを見てみてください。


森の中を歩くと普段なかなか見られない様々なものが見られます。こちらはなんだと思いますか?

これは文字通り”根こそぎ”倒れてしまった木の根っ子です。裏側の部分。本来なら土に接している面なので、見ることはまずないですよね~。けっこうな大きさの木だということが、周りの木々を見るとお分かりになると思います。


全部が全部ではありませんが、森の木が枯れて倒れてしまう原因のひとつがこれ。これがどういう状態か分かりますか?

これはイチイの木だそうなんですが、エゾシカさん達が、これの樹皮を食べてしまうのだそうなんです。実はソローの「森の生活」にも同じことが書かれているのですが、木は樹皮を剥がされると致命的なんだそうで、この木はガイドさん曰く「瀕死の状態でしょうね…」と。

樹皮のそのすぐ下の部分に養分などを運ぶシステムがあるのだそうで、樹皮とともにその部分が壊されてしまうと、根から吸い上げた養分を運ぶことが出来なくなってしまう…というわけなんだとか。神社などでは時々木の幹の周りに藁などで覆いがされているものを見かけますよね。あれも同じような理由で、木を保護しているのだと分かります。

 
けっこう上の方まで食べられてしまっていますね~^^;; 鹿は草食動物なので他の動物に危害はないのですが、このように樹木に少なからず(かなり?!)のダメージがあることや、圧倒的な数で地上にある餌となるものを食べてしまうことによって、間接的に森の小動物(うさぎやりすなど)はあまり見かけなくなってきた…というのがガイドさんのお話でした。

実際、ねずみさんは1匹見かけたのですが、りすさんには出会えず。ざんねーん。どこか他の場所に移ってしまったのでしょうか~。


イチイの木の葉はこんな感じ。
学名は、Taxus cuspidata で、常緑の針葉樹。


湖の上にも倒れた木が…。風景的にはなんだか美しいといえなくもないのですが。そしてもちろん、倒れる理由はさまざま。シカだけが原因ではございません。(うーん、でもこれはどうかな~???)


さて、この穴はなんでしょう?


答えはこちら(笑)。上の写真は私の撮ったものですが、もーりーさんも同じものを撮ったのでその様子をパチリ!真ん中が空洞になったミズナラ(Quercus crispula の大木です。


ほら、見て見て!不思議でしょう?!さっきのイチイの木とは反対のことが起こってます。これ、真ん中が空洞になってしまった同じミズナラの木の全貌。青々と葉が茂って元気いっぱい。


つまり、真ん中がどういうわけだか空洞化してしまっても、養分を運ぶシステムのある樹皮近辺は健在なので、こうして生き続けられているというわけなのだそうです。この写真は同じ木の根っ子の部分。

遊歩道側から見ると空洞化した部分は裏にあるので見えません。ただ歩いているだけだと、そんな風になっているとはちょっと気づきにくいくらいです。ガイドさんのおかげで、こうした面白い現象も見ることが出来ました。


ミズナラは落葉広葉樹。どんぐりのなる木はこれ。

それでは本日はこの辺でおしまい。次回も樹木編のその2をお送りいたします。お楽しみに~♪

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コメント

アン さんの投稿…
Sanaeちゃん、こんばんは~☆
昨夜は凄い雷雨で、怖くなってPCを閉じTVも消して
北海道旅行の写真を引っ張り出していました。私…
メチャ若かった~♪(爆)

知床五湖の呼び方がそのままなんて面白い!もし、
国立公園に指定されず、富士五湖の様に周辺が栄えて
いれば、呼び方も変わっていたかも知れませんね。

樹皮の下の養分を運ぶシステム…人はこの音を聞こうと
樹木に耳を当てるのでしょうか?
Sana さんの投稿…
★アンさん、こんばんは!
昨夜は名古屋の方は雨がすごかったのですね。でも、そういう日に写真を見るのっていいかも!気がまぎれますよね。写真もプリントしておくほうがいいかな~、やっぱり。

なるほど…幹に耳を当てる姿、よく見ますよね。そうかも。聞こえてくる音はそれなのかもしれませんね^^
Paul さんの投稿…
セコイヤの森の景色に似ています。
鹿が樹を倒し、クマが鹿を倒す。人間が介入しなければ絶妙なバランスが保たれるんでしょうけど、現在のここはどうなんでしょうねぇ。
Sana さんの投稿…
★Paulさん、こんばんは!コメントをありがとうございます^^セコイヤの森というの、ネットで見てみました!なるほど~。空洞になっているのですね。実物を見てみたくなります。

>鹿が樹を倒し、クマが鹿を倒す。

実はこの日の午後別の場所でヒグマを見たのですが、車の中から「あ、熊だ!」と思った瞬間、近くの茂みから鹿が数匹飛び出して逃げ、ヒグマはそれを追いかけて行きました…。まさにPaulさんのおっしゃるとおりです。迫力でした…。

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