庭園訪問記:アカオ ハーブ&ローズガーデン⑥白、黄色、アプリコット(オレンジ)系のバラ

Graham Thomas (David Austin 1983, GB)
 
 2013年5月24日(金)に訪れたアカオハーブ&ローズガーデンの訪問記も今回で6回目です。長い間おつきあいいただきありがとうございました。最終回の本日は黄色や白、アプリコット(オレンジ)系のバラを中心にご紹介いたします。
 
 まずは黄色のバラの代表格、イングリッシュローズガーデンの入り口に咲いていたグラハム・トーマスです。大変によい香りのするバラで、イギリスの著名な園芸家の名前がつけられています。
 
 30年も前に作られたバラですが、現在までずっと息の長い人気を保ち、2008年に【バラの殿堂入り】(Rose Hall of Fame)を果たしています。(ちなみに、わが家にもあるピエール・ド・ロンサールも入っています ^^) (1)
 
Sahara'98 (Tantau 1996, German)
 
 こちらはまた別の黄色いバラで、ドイツのサハラ’98という名前のもの。黄色のバラですが、ふちからオレンジ色が入ってくるようです。そしてなんと、咲き終わりの頃にはピンクにまでなるというから驚きです。その色の変化は一日では確認できませんが、大変面白いバラですね。香りは微香とのこと。つるバラで、アーチのように頭上に仕立てられていました。(2)
 
Gentle Hermione (David Austin 2005, GB)
 
 お次は、私の大好きなバラ、イングリッシュローズのジェントル・ハーマイオニーです。最初はカップ咲きのピンクで、咲き進むとこのような色と形になるようです。デイヴィッド・オースチン・ロージズのカタログではピンク色のバラとして紹介されています。
 
 …が、私たちがアカオで見た時にはかなり白い色をしていたので、ちょっと迷ったのですが、ここではあえて白系コーナーでご紹介させていただきます(笑)。最初から白い色で咲くバラをお探しの方はご注意ください。本当はきっと、ピンクの時期が長いですから。
 
 さて、イングリッシュローズはどれもとてもよい香りのバラばかりですが、これは本当にいつまででも香りを楽しんでいたい気分になるバラです。色や形も好み。(とくにこの白くなった頃が好きです・笑)
 
 名前はシェークスピアのThe Winter's Tale(冬物語)に出てくる登場人物の名前なのだとか。悲喜劇とかロマンス劇と紹介されていて、面白そうな感じです。イングリッシュ・ローズはこうやって別の興味が広がるところも楽しいですね ^^ (3)
 
Aspirin Rose (Tantau 1997, German)
 
 こちらもちょっとピンクがかった感じの白いバラ。花の大きさはそれほど大きくありません。名前はやや変わった感じのするもので、その名もアスピリン・ローズ。そうです、あのお薬の名前と同じです。(4)
 
Aspirin Rose (Tantau 1997, German)
 
 と言いますのも、アスピリンを世に送り出したドイツのバイエル社が、アスピリンの100周年を記念して作出を依頼したという、アニバーサリーのバラなのだとか。お薬のイメージローズを作ってしまうというところに驚きますよね。アスピリンローズは香りはよく分かりませんでしたが、花の咲く様子はまるでそのままブーケになりそうな房咲きで、とても愛らしい姿をしています。(5)
 
Jude the Obscure (David Austin 1995, GB)
 アプリコットに近い色をして、コロンと真ん丸い形のこのバラは、これまたイングリッシュローズのジュード・ジ・オブスキュアというもの。(6)
 
 これも赤系のバラでご紹介したテス・オブ・ザ・ダーバーヴィルズと同様に、トーマス・ハーディの小説から名づけられたものだそうです。日本語訳は中公文庫の「日陰者ジュード()」だそうですが、これも少々(かなり?)重そうなお話で、個人的にはあまり読みたくはならない感じですが…^^; 
 
Summer Song (Davis Austin 2005, GB)
 
 さて、こちらもイングリッシュローズで、ジェントル・ハーマイオニーと同じ年のバラです。名前はサマー・ソング。同じ年にいくつものバラを発表するのですからすごいですよねぇ…。赤やピンクにも近いようなオレンジ色で、とっても鮮やか。(7)
 
Pegasus (David Austin 1995, GB)
 
 こちらは上のサマーソングよりも10年も前に作られた、黄色いイングリッシュローズのペガサスです。ちょっと地味な存在でしょうか。このバラの他の写真などを見ると、黄色よりももっとアプリコットよりの色をしていそうですね。(8)
 
Mrs. Herbert Stevens (Samuel McGredyII 1910, Ireland)
 
 中央がくしゅくしゅっとして、非常に面白い花の開き方をしているなと目に留まった白いバラが、ミセス・ハーバート・スティーブンスです。こちらはモダンローズの初期の頃のバラだそうで、北アイルランドで作られました。白バラの名花と言われているようで、とてもエレガントな雰囲気です。たしかにハッと目をひくものがありました。かなり高い位置に咲いていたので写真を撮るのが精一杯でしたが(実際は自分では届かず、もーりーに撮ってもらいました)、香りもとても良いのだそうです。(9)

 マグレディーファミリーは1880年から4代続くナーサリーだそうです。初代から4代目まで、全員が同じサミュエル・マグレディーという名前を持っており、そのため名の後ろには、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと付いています。2代目の方の時にバラに力を入れ始め、ミセス・ハーバート・スティーブンスを作り出しました。マグレディー2世はそのほかにも優れたバラをたくさん作出したようで、当時のバラの作り手たちからは”バラの魔術師”(Wizard of Roses)と呼ばれていたそうです。こちらを参照

Rosa spinosissima 'Stanwell Perpetual' (1838)
 
 オールドローズガーデンは造成中とのことだったのですが、それ以外の場所でも古い時代のバラを見ることができました。こちらはスピノシシマ・ハイブリッドのスタンウェル・パーペチュアルというもの。オータム・ダマスクとスコッチ・バーネットと呼ばれる原種のバラの交配種だと考えられているようです。
 
 Daphne Filibertiさんという方のRosegatheringというサイトを見ると、交配年は1838年と書かれています。また、ご本人のお庭では1月半ばでも花が咲き、その頃の香りは大変素晴らしいのだそうです。(咲き始めは軽めの香りとのこと。)
 
 この写真を撮った時も花は頭上はるかかなた…でしたので、背の低い私は残念ながら、このバラも香りは確認できませんでした。これもとても好みのタイプ。クライミングローズです。(10)
 
Iceberg (Kordes 1958, German)
 
 白いバラをもうひとつ。こちらも大人気のバラであり、【バラの殿堂入り】を果たしているアイスバーグです。ここではつるバラタイプのものがアーチに仕立てられていました。
 
 世界でもっとも知られているバラなんて英語版のウィキぺディアには書かれていました。ルーマニアでは1970年代に切手の図柄にも採用されていたようです。(こちらを参照)(11)
 
Father's Day (Tantau 1959, German)
 
 ドイツのバラを続けます。こちらはぐっと小輪のバラで、ファザーズ・デイという名のミニチュアローズです。他のバラの葉の下から顔をのぞかせていました。
 
 ファザーズデイは作り出されたバラではなく、”発見された” バラ。真っ赤な花を咲かせるマザーズ・デイ(Mother's Day, Grootendorst 1949, German)の枝分かれなのだそうです。
 
 マザーズ・デイが明るめの赤い色なのに対して、ファーザーズ・デイと名づけられたこのバラは、かわいらしいオレンジ色をしています。コロンとしたカップ咲きもかわいいですね ^^ (12)
 
 Perle des Blanches (François Lacharme 1872, France)
 
 最後を締めくくるのはフランスのオールドローズ、ペルル・デ・ブランシェです。ブルボン・ノワゼットと分類されており、香りのよい四季咲きのバラだそうです。(13)
 
 別名をスノー・ボールというそうで、ブール・ド・ネージュ(Boule de Neige,François Lacharme 1867)というバラと姉妹だそうです。ちなみに、ブール・ド・ネージュというフランス語を英語読みすると、これもまたスノー・ボールになる…という、ちょっとややこしいことになっています(笑)。
 
 ではペルルとはいったいなんだろうと考えると、文字から想像できる通り、真珠という意味の言葉のようです。両方ともコロンとした白いバラを表現した名前なんですね ^^ つぼみはほんのりとピンクがかっています。
 
 19世紀のフランスはリヨンで活動していたという作出者のフランソワ・ラシャームについては、アメリカのVentura Country Rose Society のサイト内にある "François Lacharme's Noisette Roses" に詳しいです。サイト内のArticlesの目次からpdfファイルが読めるようになっているので、ご興味ある方はどうぞのぞいてみてください。(目次はここ
 
 後日訪れた花菜ガーデンではブール・ド・ネージュを見ることができましたので、そちらも追々ご紹介したいと思っています。
 
 
 
 *(2)(9)はもーりーの撮った写真((2)=D7000&35mm, f/1.8、(9)=D7000&70-200mm, f/2.8)で、残りはすべて私がD3100で撮影しました。(1)のみ55-300mmの標準ズームレンズを使い、残りは40mm, f/2.8のマクロレンズで撮っています。
 
 

コメント

アン さんの投稿…
Sanaeちゃん、こんばんは~☆
お写真を拝見しながら文章をじっくり拝読させて
いただきました。
中でハッと手が止まったのがアイスバーグです。
(てか、これしか知りませんでした。涙)
一昨年くらいだったかしら?近所の方にアイスバーグを
一枝頂いて、挿し木しておいたのですが駄目でした。
だから余計心にズキンと来たのでしょうね。
Sana さんの投稿…
★アンさん、こんにちは。
長い文章をお読みいただきありがとうございます。
私もこうして調べるまでは、知らないものばかりですよ~^^
なので今年は頑張って調べてみることにしたのです♪
でも、同じくアイスバーグは見ると「これはきっと…」と分かるもののひとつです。

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