テレビで見た落語メモ(2):2015年10月23日~28日

本日は写真なしです。テレビで見た落語メモの2回目。今週はなんだかガッツリ見たな~という気分。それでは、はじまりはじまり~。

10月24日(土)BSーTBS 落語研究会 林家正蔵『たちきり』


落語研究会は放送時間帯が深夜の明け方とあって、今回初めて見た番組です。解説付きのマジメな進行で、すごく見ごたえのある内容でした。基本は月1のようなので、今後はしっかりとチェックして、録画して見ようと思います。

さて、『たちきり』はもともとは上方の噺だそうで、あちらでかけられる時には『たちきれ線香』という演題になっているようです。私も、Youtubeで故・桂米朝さんのを拝見したことがあります。米朝さんは落語家になる前の軍隊にいた時分にも、この噺をされたことがあるとテレビで聞きました。「落語は面白おかしく笑うだけのもんやない」という言葉が印象に残っています。

内容は商家の若旦那と若い芸者のちょっと切ない恋物語。芸者の名前も上方では小糸、江戸では小雪となっているようです。もちろん出てくる地名なんかも違います。番組では解説の方が、三味線の型(?)も違う・・・というようなこともおっしゃっていました。

そうした切ない噺の中でも、上方の演じ方(というか米朝さんバージョン)ではところどころでドッと笑いが生じる場面が何度もありましたが、お江戸バージョンの正蔵さんのは、終始しっとりと聞かせる感じでまた別の良さがありました。とくに若旦那のピュアで繊細な悪気のなさはハマリ役という感じ。言われて嬉しいかどうかは分かりませんが、お声の若々しさも手伝って、正蔵さんのキャラにあっている演目だな~と思いました。

10月25日(日)BSーTBS 落語研究会 瀧川鯉昇『佃祭』/三遊亭歌武蔵『稲川』/入船亭扇遊『一分茶番』


2日連続の落語研究会。この回は放送時間がたっぷり2時間!CMや解説が入りますが、それでもひとりの噺家さんの持ち時間が長いです。3人分でしたが、2日に分けて録画したものを見ました。

まず最初は瀧川鯉昇さんの『佃祭』。これも古今亭志ん生さんのCDで聞いたことのある演目です。瀧川鯉昇さんはなんだか飄々とした雰囲気に引き込まれる噺家さんで、まくらで「今年からサゲは公務員オチというのを採用しておりまして、噺の途中でも時間がくればおしまい・・・」というようなことをおっしゃっておりましたが、持ち時間内でやるには『佃祭』は長すぎる演目だったのか、前半は端折って、帰りの渡船に乗りそこなうシーンより本格的にスタート。しかしながら、端折った分で葬式場面に”大人な”笑いを挟んできたりして、とても面白かったです。志ん生さんのCDを一緒に1回だけ聞いたことのあったもーりーさんは、初め「これってサゲのよく分からない噺だったっけ?」と言っていましたが、鯉昇さんのまくらでの丁寧な説明つき伏線で、今回はちゃんと納得できたようです。(志ん生さんバージョンも同様の説明はあるのだけれど・・・。)

お次。鯉昇さんの『佃祭』とは反対に、持ち時間に対してかけるネタが短かったのかな?と思ったのは三遊亭歌武蔵さんの『稲川』。歌武蔵さんは元力士だという噺家さんで、大相撲ネタのまくらは面白かったのですが、これがまたけっこうな長さで、私は聞いている途中でかかる予定の演目がなんだったのかすっかり忘れてしまいました(汗)。で、本筋の『稲川』もお相撲さんが出てくるお噺です。これそのものには大きな笑いもサゲもないので、まくらの大相撲ネタでたくさん笑わせておいて、あとの話はじっくり聞かせる・・・という趣向だったのでしょう。今までお相撲はそれほどしっかりと見ていなかったのですが、歌武蔵さんの話を聞いていたら、ちょっと興味がわいてきました。

3本目。扇遊さん、縦じまのめちゃめちゃ粋な着物で登場。のっけから「テレビでは寄席や落語会の空気や匂いまでは伝わりません」ときて、ズッキ~ン!匂いってのは話のクササにもかけておられたようですが・・・(笑)。

さて、落語にはお決まりの登場人物というのがおりまして、たとえば先の『佃祭』にも出てくるお馬鹿さんキャラの与太郎だとか、『たちきり』にも出てくる奉公人の定吉なんてのがその一例。この扇遊さんの『一分茶番』にも、飯炊きの権助というずーずー弁の素朴なキャラが出てきました。お芝居のお話なので、話の中にもうひとつ話があるというような感じ。ひょんなことから素人芝居の舞台に借り出されてしまった権助のドタバタを、落語の中の人々と一緒に自分も見ている気分になって、とても面白かったです。おっしゃるとおりテレビですから、残念ながら匂いなんて全然、気がつきませんで・・・。

10月25日(日)NHK総合 桂文枝の演芸図鑑 柳家喜多八『長短』


喜多八さんは人間国宝・柳家小三治さんのお弟子さんだそうで、高座に出てきた瞬間に、その一見ぶっきらぼうそうなところとか、なるほどちょっと似ているな・・・と思ってしまいました(笑)。

『長短』という演目は、気長さんと短気さんのかけあい。喜多八さんの気長な長さんは、妙~なニヤニヤ笑いの色男で、それにイライラし続ける短気な短七とのコントラストがすごく面白かったです。なんというか喜多八さんご自身に、ルパン三世の世界的な雰囲気があったような・・・?!私の頭の中では、長さんがルパンとその仲間達で、短七が銭形警部というイメージに・・・?!

10月27日(火)BS11 柳家喬太郎のようこそ芸賓館 桂小南治『三十石』


岩槻のお豆腐屋さんの美味しそうなおからドーナッツとともに登場したのが、桂小南治さん。

小南治さんは東京の噺家さんですが、お師匠さんの故・桂小南さんが東京で活動する上方の方だったそうで、『三十石』というのは、そのお師匠さんのネタだったものだそうです。主人公の二人はお江戸の旅人という設定になっていましたが、舞台は京都~大阪。よって出てくる人々の話す言葉もほとんどは上方のもの。豪快でパワフルな演じっぷりで、コテコテ感もよく出ており、矢継ぎ早に繰り出されるベタなネタでも、ついついゲラゲラ笑いまくってしまいました。やっているほうもそうでしょうけど、見るほうにもこれはけっこう体力がいるかも?!という『三十石』でした。とても面白かったです。お師匠さんの小南さんの落語も聞いてみたくなります。落語芸術協会の所属とあって、歌丸さんネタなんかも挟まれておりました。

んでもって、謝楽祭で紙切りを拝見いたしました林家二楽さんは弟さんなのだとか。で、お父上は正楽さん。てっきりお豆腐屋さんがご実家なのかと思ってしまいましたが、違うんだ・・・。おからドーナツもすごく美味しそうでした。

10月28日(水)BSー日テレ 笑点特大号 古今亭志ん陽『たらちね』


古今亭志ん陽さんは私達と同世代の噺家さん。『たらちね』は、ひとり者の主人公に大家さんがお嫁さんの世話をしてくれるという噺で、ここに登場するのが”八っつぁん”でおなじみの八五郎。先の『三十石』も要所要所を抜き出して短くしたものが演じられることもあるそうですが、今回の『たらちね』も前半部分のみ。紹介してもらったお嫁さんがどんな人物だったか・・・という二人のご対面シーンにオチがついて終了~。チーン!

今週はNHKの日本の話芸が講談だった代わりにBS-TBSの落語研究会があって、けっこうディープなテレビ落語観賞ウィークでした。そういうところで、〆にこういうストレートに笑える小話仕立ての1本がきたのは、偶然といえども気が利いていてよかったです。


コメント

人気の投稿