公開講座受講記(2)性格の話:自分と他者理解のための座標軸


2月6日(土)の午後、心理学系の公開講座を受講してきました。ご興味あります方は、「続きを読む」からご覧下さい。


いろんな人がいる、というお話がテーマ


さて、この日に出かけた先は、放送大学の多摩学習センターです。西武多摩湖線という電車に初めて乗り、一橋学園駅で下車しました。なんとも静かでのんび~りとした雰囲気のところ。

入学願書を取り寄せた関係で、いくつか公開講座のお知らせをいただきまして、昨年12月にお話を聞いた、臨床心理士の小野けい子先生の講座に申し込んでみました。(一般参加OKの無料の講座です。)

今回も『心理学への誘い』というタイトルにはなっていましたが、前回のような資格取得のためのガイダンスではなく、「性格の話:自分と他者理解のための座標軸」というテーマの講義でした。

うっかりミスにもタイプあり?


前半はヒューマンエラー(うっかりミス)はなぜ起きるのか?という話から、簡単なテストを受講者も行いました。いろいろなミスの例が書かれた紙をひとり1枚もらい、そこに書かれたもののなかで自分がここ3ヶ月に起こしたものがあれば、丸印をつけていくというテストです。エラーのタイプは行動エラーと記憶エラーとに大別されており、数の多い方の傾向がある・・・と見ていくようです。また、実際に職業の場などで行われている、他のテスト方法の紹介もありました。

小野先生はとても明るく朗らかな方で、ご自身の体験(うっかり談)もたくさんお話してくださり、記憶性のエラーにはメモをするのが良いとか、行動性エラーには指差し点検が良いなどの対策に加えて、「究極のエラー対策は他人の記憶に依存するというものです」と真顔でおっしゃるので大変面白かったです。忘れては困る予定がある時は、ご主人やおばあちゃまに覚えていてもらって、「今日、丸々の日だよ」と言ってもらいましょう!と(笑)。半分冗談、半分本気?!

ひとりでストレスを抱え込むくらいなら、お願いしますと言っておくような、甘え上手も大事なことなのかもですね(^^)行動性エラーについても、苦手なことは、人に頼める環境ならば器用な人にやってもらいましょうとのことでした。(主に家庭での話で、夫など・・・という例でしたけれども。)

自分は外向的?内向的?


後半はタイプと人間関係というお話で、C.G.ユングの外向と内向についての考え方の紹介がありました。ともに似た者同士は理解しやすいが、そこで新しいことは生まれにくいとか、違うタイプの人同士では自分と違う部分に抗しがたい魅力を感じることもあるけれど、全然うまくいかないということも大いにある・・・などなど。しかし、後者は新しいものの生まれやすい、発展の可能性を秘めているというのは興味深かったです。これについても、先生の研究の現場においての体験談をお聞きしました。(異業種の人々との現場に入ることで、自分だけでは調査が不十分だったものに効果的な協力を得られた・・・等)

また、外向と内向それぞれをさらに、4つの心理機能(思考・感情・感覚・直観)と組み合わせ、8つの性格タイプに分ける考え方も紹介されました。

そして、これらのタイプの違いは、同じ家族だから同じタイプというわけではなく、それぞれ個人が生まれながらにして持っている素質だと考えられているそうです。

例えば、外向タイプの人の多い家庭の中にひとりだけ内向タイプの人がいた場合、行動の面では家族に合わせることはできなくはないとのことなのですが、そのように個人の素質とことなることをし続けていると、ものすごい疲労を伴うのだとか。で、そういうことを分かっていてお互いに接するなら相手を思いやるってことになるのだろうけれど、もしまったく分かっていなくて、一方が一方に常に付き従っているような状態だったとしたら、それはやはりバランスを崩してしまうだろうな~というのは想像に難くない・・・ですわね。分かるな、その感じ。

また、どちらが良い悪いという話では本来ないのだけれども、集団によって評価が違うのは当然のことで、さらに、奥ゆかしさに価値が置かれた昔の日本と違って、最近は傾向としてだんだんと外向的であることの方が評価されやすい社会になってきてるのではないか?そうだとすると内向的な人たちにはちょっと苦しいことが多いかもしれない・・・とおっしゃっていました。とくに、学校の先生方は人に何かを教えたいという積極性を持っているくらいだから外向タイプの人が多いので、内向傾向の子供は評価が低くなりがちである・・・というお話は身につまされました。実例などは、聞いていて本当に泣きそうになってしまいました。

そして、まわりに分かってもらえにくいことがあるかもしれないけれども、内向的な人もまた、1対1で向き合うと非常に魅力的な人が多いんですとくり返しおっしゃられており、現場を通じての声なのだろうなぁと思いました。

問題にも意味がある


最後にまとめで、何か問題が起きた時にはどうするか?というユングの目的論的視点についてのお話がありました。

前半のヒューマンエラーにしろ、後半の異なるタイプの人々との間に起こる齟齬にしろ、「その原因は何か?」を問い始めると、行き着くところは犯人探しになりやすい・・・とのこと。因果論に終始するのではなく、「今の時期にこういうことが起きたのは、そういう意味があるのだろう?」と考える(目的論)と、違うものや未来が見えてくるのではないか・・・ということでした。

質疑応答の時間には、タイプというのには判定のテストがあるのか?またそのタイプは一生変わらないのか?それとも訓練等により変わるものなのか?等の質問が他の受講者さんよりありました。

判定テストについては、テストはあるが、それに対する批判もあるとの回答。タイプについては、「その人」のいろいろを変えようとしないほうが良い、変えようとするとものすごい疲労が伴うという回答でした。また、最後のまとめの話にも通じ、他の人の自分と違う部分に目を向けると、今までとは別の価値観が開発されてくるので、それによって自然に人は変わってくる・・・とのことでした。

また、別の質問(仕事としてのこと)に対して、臨床心理士の仕事というのは変容する過程に立ちあう現場だとおっしゃったのが大変印象的でした。

とても濃密な90分でした。


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