再読: マイケル・ファラデー『ロウソクの科学』

特別講義『イギリスの科学教育に学ぶ』を
オンラインで視聴中
ファラデーの本も引っ張り出してきました

放送大学の学生用のオンラインシステムに、キャンパスネットワークというのがあります。在学生はそれにアクセスすると、たいていの放送授業をインターネット経由で視聴できるようになっています。

また、学習室と称したワークスペースが一人ずつ用意されており、私はそれを使って学習記録をつけています。たとえば、どの科目をいつ視聴したか、なんの資料を読んだかなど、スケジューラーに過去のイベントとして記入し、保存しています。

それで、1日1回以上はキャンパスネットワークにログインするのですが、トップページには学校や学習センターからのお知らせも掲載されており、先日は特別講義のオンライン配信実験のことが書かれていました。

特別講義は通常の科目とはまた別のプログラムになっている、1回で終了の講義です。時々BSなどでも放送されており(再放送もランダムそうだけどある様子)、学生でなくても見られるチャンスがあると思います。というか、すでに見たことのある人もいらっしゃるかも?

さっそく、新たにオンライン配信に加えられたプログラムより、『イギリスの科学教育に学ぶ』というのを視聴してみました。市村禎二郎先生がマイケル・ファラデーの『ロウソクの科学』の実験を再現していました。それを見て、久しぶりに『ロウソクの科学』をざっと読み直してみました。

それぞれがどんな内容だったかは、「続きを読む」よりご覧ください。


特別講義『イギリスの科学教育に学ぶ』
実験の映像

再現されていたのは、『ロウソクの科学』第4講の水の電気分解の実験です。ファラデーのやったのと同じように、水の中から取り出した水素と酸素の気体を、手の平にためた液体洗剤の中で混合してシャボンを作り、それに火を近づけるという実験。

火を近づけた瞬間に BANG! というものすごい音がしました。本で読んでも音までは体験できませんから、これは見ていて面白かったです(笑)。たいていの化学反応は熱を放出するそうですけれども、この反応は音になって表れるのだそうです。爆鳴気というのだとおっしゃっていました。そして、音とともに水素と酸素が反応し水になりました、ということのよう。

『ロウソクの科学』に収められているファラデーの一連の実験講義はクリスマスレクチャーと呼ばれ、なんと現在でも引き継がれて毎年開催されているそうです。ファラデーって19世紀の科学者ですよ(笑)。さすが、一度作ったものは延々やり続けるお国柄!詳細は英国王立研究所のサイトでご覧になれます。( http://www.rigb.org/ )さらに日本公演というものも20年来行われているのだそうな。面白そうですね。

さてさて。

先にも書きましたが、特別講義『イギリスの科学教育に学ぶ』を見た後で、もう一度ファラデーの『ロウソクの科学』をパラパラと読み直しました。すると、そこに面白い記述を発見!新訳版には訳者による「ファラデー 人と生涯」が収録されているのですが、なんとファラデーは科学者を夢見た若かりし日に、当時の王立協会の会長ジョゼフ・バンクスに手紙を書いていたというのです。

わ~!!

って、なんなんだ(笑)と。えーっとね、なんでこんなことに反応しているのかというと、二人は私がただいま履修している2科目の、それぞれの登場人物なのでありました。ファラデーは『自然科学はじめの一歩』、バンクスは『ヨーロッパの歴史II 植物からみるヨーロッパの歴史』。まさか2教科がつながるとは思わなかったです(笑)。

今から見るとファラデーは、「彼の時代にノーベル賞があったら6回は受賞している」と言われる(『ロウソクの科学』、岩波文庫2010年、P231‐232)ほど世界的な発見をたくさんした人です。(でも、イギリスでファラデーを知っている人は多くはないと、市村先生は特別講義の冒頭でおっしゃっていましたが。)

かたや、バンクスの大きな仕事は1980年代にやっと陽の目を見るといった具合で、それこそ知る人ぞ知る地味な植物学者…という印象。(実際のイギリスでの知名度はハテナ?バンクスにまつわる過去のエントリーはこちらです → https://dolcevita-sana.blogspot.jp/2015/12/blog-post_16.html

でしたが~、当時の感覚だと、貴族であるバンクスと製本見習いだったファラデーでは、社会的階級も地位も違う…という位置関係だったのですね~。ま、バンクスとファラデーはそもそも分野も違ったし、ファラデーが世に出るサポートをしたのは、また別の人だったようですが。

それにしてもこういう記述に出会うのは楽しい。教科書に書かれている事柄が単なる文字の羅列ではなく、生き生きと動き出したみたいです。


《おまけ》

特別講義『イギリスの科学教育に学ぶ』では、ファラデーの実験の再現のほかにも、水とエタノールを混ぜた水溶液に一万円札を浸して火をつけると燃えるか燃えないか?という実験や、ラベルを隠した見た目のそっくりな炭酸水の中身の違いを、紫外線をあてた時の色の見え具合で調べるといった実験が行われました。画面越しに見てるだけですが、とても面白かったです。



コメント

LiLAっくま さんのコメント…
ファラデーほど業績があると,
「ファラデーの法則では...」って言われても,
どれ?ってなっちゃいますね.
Sanae さんの投稿…
★LiLAっくまさん、こんばんは。
やっぱりそうなのですね~
『ファラデー 人と生涯』に、
「基本物理単位に
その名前が二回にわたって使われている
唯一の科学者」
とも書いてありました!

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