『高校数学でわかるアインシュタイン 科学という考え方』


放送大学の『初歩からの物理』を勉強していて、教科書を読んだり放送授業を見ている時はそれほど苦しさや困難は感じなかったのだけど、通信指導や自習型問題はなかなか厳しいなと感じました。

それで昨年は高校物理の参考書なども用意したのですが。なんだかそれでも腑に落ちない。まぁ、それらの参考書は、もちろん辞書的な役割として大いに役立つのではありますが。

そこでふと、よその大学ではどういう教科書を使うのだろう?と思い、ネットで検査したり、本屋でそれらを実際に見てみたり…ということをしました。当然、受験を経てきて百戦錬磨の人々が使う教科書は、自分には難しいのは承知の上です。



と言いつつ、その中で実際に書店で見て面白そうだと思ったのが、『物理学序論としての力学』という教科書でした。恐れ多くも東京大学出版会(笑)。

心の中で「いやいやいや~、これは無謀でしょう。いくらなんでも」とか自分で自分に突っ込みを入れつつ、かたや「いや、待てよ?放送大学の先生って東大出身者が多いのだから、東大でどんなことをやっているのか見てみるのはありかも?」なんて気持ちも。まず、敵を知れと。(敵じゃないけど・笑)

で、その本を買ってみようかな~と思ったのですが、その前にふと、「東京大学出版会ってほかにどんな本を出しているんだろう?」というのが気になりまして、そのまま同じ棚にある本の出版者名を追ってみました。

すると、『高校数学でわかるアインシュタイン:科学という考え方』という本を発見。再び「いやいやいや~、私の今の状況で、アインシュタインはないでしょ!」と心の中の私。かたや「タイトルなんてどうでもいいから、つべこべ言わずにとりあえず中を見てみなよ!」の声も。

見てみましたよ、素直に。

見て驚きました。「あ、これだ」って。通信指導でワケワカンナイって頭がグルグルしちゃいそうだった部分が、この本で解決しそうでした。そしてこの本は、アインシュタインだけのことについて書いてある本ではありませんでした。

さらに、著者の先生の写真を見たら、朝日カルチャーの講師をされている先生だ!と分かったのも、購入の決め手になりました。朝日カルチャーの自然科学分野のクラス、面白そうだな~と思っていたのですが、どんな先生なのか分からないと受講しにくいな~と思っていたのです。だからお顔を覚えてました。

大学以外でも興味のあることを学べる場所があるならそれでもいいので、なんとなくいつでもそういうのはチェックしていたりします。

さて、帰宅してさっそく読み始めると再びビックリ。この本はいきなりフィボナッチ数列から始まるのですが、読んでいて途中で、「あれ?これってひょっとして、秋に受けた『数学入門』の面接授業で習ったのを使うのかな??」と。

当たりでした。漸化式と数学的帰納法。あんなに苦しくて、受講したのは失敗だったかと思っていた数学の面接授業でしたが、それのおかげで今この本が読める驚きといったら!もちろんまだまだ、その場ですぐに全部の展開式がスルッと理解できるわけじゃないのですが。それでも自分的には、進歩!

苦しかったけどあの面接授業を受けて良かった~!と(笑)。心の中の評価が180度変わっちゃったんです。大げさに言うと、「受けなきゃ良かった面接授業」から「受けて良かった面接授業」に過去が見事に書き換わっちゃったんです(笑)。

たしかにね、分からなかったからこそ、悔しくて復習したんですもんね。まだ完全な理解とまではいってないですが…。

さてさて。

話は『高校数学でわかるアインシュタイン』の本に戻ります。この本はタイトルからも分かりますように、はっきり言って数式だらけです。しかしそこは、まるで離乳食を与えるお母さんのようなかみ砕き方です。だから私でもなんとかかんとか読み進められる。

時々、「ここまでかみ砕いてくれるなんて!」と、思わず笑ってしまいそうになるほどです。万有引力定数の単位の読み方を全部日本語で書いてあるとか。「メートル三乗毎キログラム毎秒毎秒」って(笑)。

数学や物理を分かるようになりたいという願いは、言い換えれば数式を読めて理解できるようになりたいってことですから、省いてある本より、省いてないものの方がいいけど、数式を使ってあって尚かつ初学者に易しいってなかなかない?ですよね。数式は極力省きましたって本ばかり。だけとこの本は数式をバンバン使ってあって、尚かつ親鳥が小鳥に餌を与えるがごとく、なのです。

記号の読み方も必ず最初に書いてあるし、それから定義式はイコールで書かず「≡」で書いてあって、「定義は何々としましょうという決めごとなので、なぜそうなるのか?は考えなくて良い」といった内容のことがあらかじめ書かれています。だから、文中に数式がたくさん出てきても定義式との区別がつくので、むやみに「これはどこから出てきたんだろう?」などと悩まずにも済みます。ただそう決めただけなんだな、と思えばそれで済みます。

日本語で林檎と呼ぶ果物を英語ではAppleと呼ぶのはなぜか?なんてことは、普通は考える必要はないっていうのと同じ。ただ受け入れればいい部分がどこで、考える必要のある部分のどこか?これが分かるだけでだいぶ楽になります。

もう一つ良いなと思う部分は、離乳食的であるにも関わらず、野生動物の親と同じように、本物の環境はきちんと見せているという部分。だから、専門用語もバンバン出てきますし、参考文献の記載も豊富なので、出てきたものについてもっと知りたい場合に何を手がかりにすれば良いかが分かります。How to ものの学習参考書ではありませんから、読み物としての楽しさも味わえます。

勉強ってたぶん、与えられた教科書だけを読んで分かるということは、なかなかないのではないかな~と思うのです。

それからちょっと気づいたことには、各分野の、それを得意としている人々って、与えられた教科書の先を先を子供の頃から欲し、かつ与えてもらえる機会があったのではないかな~と思うのです。

そして、巷にあふれる同じ分野の本の中には、手を換え品を換え、それこそさまざまな方法や表現で、「同じこと」について語られているのもがたくさんあります。その中の一冊としてこの本に出会えて良かった。

読むのに時間はかかりそうですが、読んでおくと後が楽になりそうな一冊です。



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