映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』@アミューあつぎ映画.comシネマ


かつて映画はたいてい同時上映なんて言って、入れ替えもとくになく、二本いっぺんに見られたりしたものでした。また、名画座なんかに行くとやはり、千円ポッキリで旧作を2~3本いっぺんに見られたりしたものです。

ビデオやレーザーディスクなどのソフトが高価で、テレビの映画チャンネルはCMが入ったりいろいろカットされていたり、ビデオレンタルにもメジャーなものしかなかなかないというわけで、映画を見たいならこまめに情報収集して、映画館に足を運ぶしかなかったような時代の話です。

6/28(水)は、久しぶりにその同時上映の気分をアミューあつぎ9階の映画.comシネマさんで味わいました。映画館側でも、利用者の好みそうな特集の組み方をしてくれているので、私以外にも、ロバート・フランクの『ドント・ブリンク』を見た後に、ソール・ライターの『急がない人生で見つけた13のこと』を続けて見る人はいらっしゃいました。タイムテーブルも、空き時間なく上手く続けて見られるように組まれていました。ありがたいですね!

★写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』の公式サイトはこちら→ http://saulleiter-movie.com


ここからはネタバレも含まれますのでご用心。

ソール・ライターもロバート・フランク同様に、ニューヨークで活動していた写真家です。彼は移民ではなく、アメリカの敬虔なユダヤ教徒(学者)の父のもとに生まれました。若い頃は本人も神学を学んだそうですが、父親とは別の道を選びました。ロバート・フランク同様にソール・ライターもボヘミアン的な暮らしをしていたようですが、エネルギッシュでラジカルな前衛さとはどちらかというと距離を置き、映画のタイトル通り、静かな日常を好む写真家だったようです。

第二次世界大戦の直後に、日本に来たアメリカ人が撮った、日本のカラー写真を見たことがあります。つまり1940年代のアメリカにはすでにカラーフィルムがあり、ソール・ライターはその使い手の第一人者のひとりでした。そして50年代には一流のファッション誌の仕事もしており、MoMAにも作品が展示されるほどの評価も得ていました。

しかし80年代以降、そうしたビジネスの世界から距離を置き、無名でいることを選びました。写真をやめたわけではありません。「自由にやること」を選んだのです。


ソール・ライターのドキュメンタリー映画の舞台の大半は、写真家自身の暮らすアトリエです。膨大なネガやプリントの箱が所狭しと山積みにされた場所の一画で、写真家は椅子に座り絵を描いたり珈琲を飲んだり、猫を可愛がったり、アシスタントさんと写真を選んだりしています。また、部屋を整理しようと試みたり。

そして、街に出れば、小さなデジタルカメラを構え、近所の人達や街を人々を撮ります。見た目からは、かつて一世を風靡した写真家などとは思えない風貌をしています。特別な機材も使わず、うるさいことも言わず、ニコニコとしてアマチュアと同じカメラを構える、写真愛好家のおじいさんのように見えるくらいです。

ところが才能というものは、本人がいくら無名でいようとしたところで、そうはいかないものですね。ファッション写真を撮っていたころと同じくらい、街のスナップショットも人々の興味を惹きました。独スタイデルの出したソール・ライターの写真集をきっかけにして、世界的なソール・ライターの“再発見”が始まりました。その結果がこのドキュメンタリー映画であり、日本でも開催されたソール・ライター展です。

映画は、アミューあつぎ映画.comシネマさんでは7月7日まで上映予定のようです。


アミューあつぎ映画.comシネマさんでは、年間会員になると、プランにより1本800円、または500円で映画が見られます。私はセレブプランの会員になりましたので、500円でこの映画を見ました。プラス700円のパンフレットを買ってもお安いですよね(^^)

★詳しくはアミューあつぎ映画.comシネマさんの公式サイトをご覧ください。こちら→ http://atsugieiga.com


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